ストーリーで学ぶ・生理前の不調

 

「生理前だとすぐキレる、と言われて。」

 Mさん。40歳、会社員。

 体に良さそうなことは何でも試してみるので、ヨガや岩盤浴酵素風呂など一通りやりましたし、食べ物もできるだけ自然なものをシンプルにとることを心がけてます。こうして健康には人一倍気をつけているおかげか、今まで大きな病気はしていません。

 ただ、毎回生理の時期がつらくてつらくて、本当に嫌でした。これだけ体を気遣っているのに、色々な症状でつらいです。胸が張るし、下腹部が痛みます。食欲も異様に増すし、肌荒れもひどくなります。それだけじゃなく、気分も浮かない落し、すぐイライラするようになります。こういうことが20代頃から目立つようになってきたため、体に良いことを心がけ始めた経緯もあります。生理は毎月来るものですし、どうやってうまく付き合えるかをかなり考えました。しかし、40代に突入した今でも、自己流の健康法で生理のつらさが良くなった実感は、はっきりとは感じられなくて、結局は「生理は嫌だ、憂鬱だ。」と強く否定的に思うようになってしまいました。そのため、生理中はなるべく外出の予定を入れないようにしたり、人と会う用事を作らないようにしていました。困っていたので誰かに相談したかったのですが、私の我慢が足りないだけのような気がして、相談したりはせずに何とかしのいできました。

 それが最近、妹に「お姉ちゃん、生理前だとすぐキレるよね。」と言われて、ハッとしました。

 これまで、生理中がつらいと思っていましたが、よく考えると嫌なことは全部、生理が始まる前にあったのです。確かに生理中も経血の不快感はありますが、その何倍もつらいのが、胸が張ったり、下腹部が痛んだり、暴飲暴食やひどい肌荒れです。それだけではなく、イライラや怒りっぽくなって、些細なことで家族と言い争いになったり、自分の感情をコントロールできないこともつらいのです。こうしたつらい状態は、生理が始まるとむしろ消えていたことに気づきました。つらいのは、生理中じゃなくて、生理前だったのです。

 生理前のつらい状態について、テレビか雑誌かで何か病名のようなものを見た気がしたので、付き合いの長い友人に聞いてみました。すると、「私もあるよ、月経前症候群PMS)でしょ?」と教えてくれました。家でネットで調べてみると、月経前症候群には、まさに私に当てはまる症状がたくさんありました。

 生理のつらさの原因が、私の我慢不足ではなかった気がして「そうだったのか~。」と力が抜けるようでした。今まで20年近く、毎月毎月苦しんできたのは、これなのかもしれないと思うと、原因が分かったようで気分も楽になりました。それから、自分なりに調べたり、友人に相談するようになりました。自分で対処する人もいるようでしたし、クリニックに行く人もいるようでした。私はこれまで、自分で何とか体にいいものをと考えてやってきて、思うように生理のつらさが楽にはならなかったですし、また、生理にまつわる不調には、月経前症候群の他にも色々あるようだったので、もしも別の病気だったらどうしようという不安もあって、クリニックで専門家の方に相談してみようと思いました。

 

コメント

このような女性はたくさんいるのではないでしょうか。生理という自然現象なので、様々な不快な症状を当たり前のものとして考えている人も多いかもしれません。しかし、日常生活のちょっとしたことに気をつければ、症状を緩和できるかもしれませんよ。たとえば、甘いものや炭水化物を控え、タンパク質の豊富なナッツや豆腐、納豆、小魚、チーズなどをおやつにとれば、低血糖が予防できるのでイライラや不安などの情緒不安定さは緩和できます。カフェインやアルコールを控えたりビタミンB群、鉄、カルシウム、マグネシウムなどの栄養素をしっかりとることも重要です。自律神経の乱れを改善するために、軽い体操や散歩をするのもいいですね。それでも治らない時は、お薬に頼るのも悪くないと思います。生理に関するトラブルでは、桂枝茯苓丸や桃核承気湯といった漢方薬や、SSRIというタイプの抗うつ薬などが用いられます。

 

月経前症候群チェックリスト

生理が始まる2週間くらい前から、以下の症状がたくさんあるほど月経前症候群PMS)の可能性が高くなります。症状は人により異なり、また多岐にわたるため、困難を感じる場合は自己判断をせずにクリニック等への受診をお勧めします。

 

体の症状

肌荒れ

むくみ

乳房の張り、痛み

下腹部の張り、痛み

腰痛

頭痛

眠気、不眠

食欲の変化

上記以外で、体に何らかの不調がある

 

心の症状

気分が落ち込む

イライラしやすい

急に泣きたくなる

急に怒りっぽくなる

物事に集中できにくい

やる気がなくなる

外出したくなくなる

上記以外で、心に何らかの不調がある

 

 生理周期に関係なく上記の症状があらわれたり、生理周期に伴って症状があらわれたとしても、他の疾患の可能性の場合もあります。あくまで参考程度にし、専門家に相談する目安にしてください。